北の街、日々と旅〜広がりに心を揺らして〜
こんばんは。絶景の前で飲むホットコーヒーは格別に美味しく感じるナスビ丸です。あの感じは本当に格別。
さて、先日より始めました『北の街、日々と旅』の第二回でございます。
第一回はこちらから
北海道では、他の地方で体験できないような大自然に囲まれ、心が洗われる感覚に満ち溢れることができます。これはきっと私だけではないはず。特に道外出身者は心が震える方も少なくないのではないでしょうか。
運も味方につけて出会う絶景はより色鮮やかに映るでしょう。
天気や時間帯によって顔色を変える一期一会の景色の中に、感情を溶け込ませるだけで周りの空間や時空が揺らめくような感覚を得られます。
本日は数ある中から、特別心が震えた瞬間、その景色をご紹介します。
美幌峠
こちらは道東の小さな街、美幌町と弟子屈町の境にある国道沿いの峠、その名も美幌峠。
札幌からは約350キロ、時間にして約5時間で姿を見せる圧巻の大パノラマの空間に圧倒されます。
峠から見下ろす屈斜路湖の輝きとそのさきに鎮座する知床連山に目を奪われ、喉の渇き気がつかないほどにしばらく口を開けてしまいました。
私の写真技術の問題もありまして、なかなか魅力が伝わりづらい部分があることは百も承知の上ですが、この空間に心を溶け込ませ、流れる時間の音に耳を澄ませば聞こえてくる自然の声。と、美空ひばりの可憐なる歌声とメロディ。
没頭できる空間です。
豊似湖
続いては太平洋側の日高管内で唯一の天然湖、えりも町にある豊似湖です。
上から見下ろすとハート型に見えることから、ハートレイクと呼ばれパワースポットとしても人気の湖です。
↓360度写真はこちらから
山の中の駐車場からから足場のあまり良くない山道を15分ほど歩いた頃。
原生林に囲まれて目の前に佇む静かな湖。小さい風に吹かれて揺らす水面は、大きな太陽を鏡のように映してきらめいていました。
どこからか聞こえてくる甲高い声は、地元の方も滅多にその姿を見せないと口を揃えるエゾナキウサギのもの。どこか哀愁の漂う短い鳴き声は、その風景の穏やかさと反比例するように広がる時間を彩ります。
何もしないことをしている、そういう感覚になる程にいつまでも見つめていられる場所です。
天狗山
札幌市から西に車で約1時間ほど走った先にある小樽市を見下ろす天狗山。
冬場はスキー場になる程のこの山は、観光客用にロープウェイでのツアーも行なっています。
ロープウェイを登り、展望台から臨む小樽の街並みと運河の景色は、北海道三大夜景としても有名です。
この日は3月下旬の夕暮れ時。昼と夜の曖昧な境目を空がグラデーションで現れ、先に広がる日本海に柔らかな明かりを落としていました。
まだ雪が残る中で気温は低くありましたが、それでも数分、いや數十分ほど黙ってこの景色を見られるほどには無心でいられる空間です。
札幌から近いので、旅行の際にはプランに入れやすいオススメのスポットです。
苫小牧港
工業が盛んなこの街で、さまざまな資材や重油、それに伴う人の往来に古くから活用されてきたのは、苫小牧港です。
運河の両脇にはゴツゴツした工場が見えます。日が落ちると工場を照らすこの明かりがライトアップに見え、夜景として成立するのです。
さらに夜でも動く大型小型の船にも目を向けると、人によって動いている機械の大きさに心を奪われること請け合い。
上の写真は苫小牧港からフェリーで本州を目指していた際に撮れた朝焼けの瞬間。
フェリーの甲板ではしばらくの間、広大な海を照らす赤き太陽の色を見つめていただけでしたが、その時間はどこまでも長く続いていくようでした。
東川町の奥地
道北上川管内の東川町の奥地です。
ついにナスビ丸の雑な感じが出てきましたね。場所ははっきり覚えていませんが、山々に囲まれた奥地であったことは間違いありません。
この写真は今年の1月末ごろなのですが、見ていただきたいのは雪の姿です。
夏場は畑となる広い土地に雪が降り積もり、人っ子一人入りもしないものですから、一面が綺麗に整備されているように見えます。
それにこの天気。絶妙な雲量が太陽の光を妨げすぎず、通しすぎずのバランスで雪原を照らしているのはもはや絶景と言えましょう。
仕事の合間に通りがかったのですが、思わず車を止めて数分滞在してしまいました。
北海道の広大な自然が織りなすこの風景は、本州育ちの私にはあまりに刺激が強すぎたのです。
ぜひ見つけてみてください、東川町の奥地。
おわりに
私が巡った道内の絶景スポットをご紹介いたしました。
仕事で回る先もあれば、旅行で出会う景色もあり、その時々で移り変わる表情を楽しむことができるのは、絶景ならではですね。
長い地球の歴史の中で形成された大自然が、私たちに与えてくれるのはモノだけではなく、心に残る思い出や心が動く経験ではないでしょうか。その土地ごとの魅力に触れて、穏やかな心にしていきたいものですね。
今は旅行を泣く泣く断念されている方も多いことかと思いますが、安全に北海道にくることができたその時には、ぜひこういった場所に足を伸ばしてみてください。
この他にも道内にはたくさんのスポットがありますので、また別の機会にご紹介いたします。
それでは、また。
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