音が繋ぐ夏のお正月 〜熱さを滲ませる京都大作戦〜
こんばんは。初夏の香りに身を委ね、ふらっと遠くまで旅にでも出たくなりそうな気候になってまいりました。毎年春から夏に切り替わる、この季節が大好きなナスビ丸です。
みなさんは、夏がお好きですか?
夏といえば、なにを想像しますか?
私は毎年、この季節になると必ず一つのことを思い出します。
たったの二日間なのに、多くの人の感情を激しく、それでいて優しく前に転がしてくれるイベント。
京都大作戦のことを思い出すのです。
京都大作戦とは
本日のモンスターロックは京都大作戦2019 DAY4をオンエア!
今夜21時!ぜひご覧ください!#mik2019 #京都大作戦2019 #モンスターロック #スペシャ pic.twitter.com/WVUdgNsOku
京都大作戦とは、京都出身のロックバンド、10-FEETが主催する音楽フェスで、毎年7月の初旬に京都府宇治市の太陽ヶ丘で開催されます。
今年はコロナウイルスの影響で中止になりましたが、今までに11回を数えるほどに続いているイベントです。
バンド主催のフェスではもっとも継続しているのではないでしょうか。
京都で生まれたバンドが、地元でフェスを主催して開催するだけでもすごいことなのに、毎年1日に2万人以上が来場し、チケットはアーティストが発表される前に即ソールドアウト。
フェスブームで全国各地で様々なフェスが開催されている中で、ここまでの人気を誇るのには数々の理由があります。
私が行って感じたことを元にポイントをお伝えできればと思います。
ゴミが無い
どういうことか?と思いかと思います。
私の経験上ですが、音楽フェスは結構ゴミがその辺に捨てられたりして汚い雰囲気になることもあります。地域の祭りの後とかを想像して欲しいのですが、あんな感じでその辺にゴミが落ちててそのまま、っていうことも少なくありません。
しかし、京都大作戦は違います。
上記のようなフェスの汚いイメージを一新するためにも、メンバーからの声かけもあり、出演者はもちろん観客にも協力を仰いでゴミをゴミ箱にしっかりと捨てることが徹底されているのです。
二日間の宴が終わった後、会場には一つもゴミが残っていないのです。
これは10-FEETからの願いでもあり、それをお客さんが全力で応えているという美しさ。いち演者といちお客さんの関係を超えて、一体となって協力する姿から、日本一ファンに愛されているフェスとも呼ばれています。
さらには京都大作戦に来た事のあるお客さんたちが様々なフェスでもゴミ捨てを実行してくれるので、このクリーン活動は全国的に波及しているのです。
主催バンドの願いをお客さんが正しく汲み取って別の場所でも行動してくれる。音楽を超えた美しさがありますね。
10-FEETへの愛がすごい
10-FEET ― アンテナラスト ~京都大作戦2016 LIVE VERSION~
出演アーティストの10-FEETへの愛情がすごいのです。
大御所バンドから若手バンドまで、10-FEETが直接声をかけてオファーしていることもありますが、とにかく出演者がみんな10-FEETを大好きなんです。
各バンドのLIVEでは10-FEETと繋がりのある曲を演り、それにメンバーもコラボしたり、京都大作戦でしか見れないスペシャルなコラボも見れたりして、常に何かが起こりそうな期待がビンビンとしているのです。
10-FEET『STAY GOLD』-京都大作戦 Hi-STANDARD乱入 TAKUMA号泣
↑こんな伝説のコラボも生まれる
上の動画にもあるように、大トリの10-FEETのLIVEまでに出演したアーティストは皆会場に残り、彼らのLIVEが始まると皆がステージの袖から覗いているのです。
こんなフェスは他になかなかありません。
もちろんお客さんも同じで、初めて来る人から毎年来ている人まで、皆がそれぞれの楽しみ方で、必ず笑顔で帰ってくれる。
そのお客さんに応えるように皆が最高のライブをする。
これ以上のことはありません。
音を楽しむと書いて音楽ですが、その言葉を超越するような楽しさ、愛情が会場に溢れているからこそ、皆が口を揃えてまた行きたい!というイベントになるのです。
若手バンドの目標になっている
京都大作戦は2つのステージがあり、一つは上の動画でも上がっているメインステージの『源氏ノ舞台』には、大御所や全国でも名を馳せているバンドが集まります。
もう一つのステージである『牛若ノ舞台』にはもう一つのロマンが溢れています。
何よりもライブに重きを置いている、全国のライブハウス出身の熱い若手バンドたちが、この二日間で熱狂のライブを繰り広げるのが、牛若ノ舞台。
キャパは入っても1000人程度で、京都のライブハウスの店長が会場を運営していることも特徴の一つです。
京都大作戦に来場するお客さんの中でも、牛若に在中する人なんかは心の底からバンドが好きで、それも若手の音楽に触れるのが好きなお客さんが非常に多く、全国のライブハウスにみにったりする方々ばかり。次に出てくるバンドをこの目で見たいという熱量を持った人たちにライブを見せるという、ある意味ではかなり貴重なステージなのです。
入場規制がかけられることもしばしばではありますが、この比較的マイナーなバンドがひしめきあうこのステージにあるロマン。
それは、年を経てドラマを見ることができるということです。
今では音楽ファンでは知らない人はいないようなバンド、WANIMAやSiM、SHANKなどのパンクバンドも、初めて京都大作戦に出た時は牛若ノ舞台でした。
観客もまばらだったりと、彼らにとってはいつか源氏の舞台で、という目標を持っていたに違いありません。MCでも結構そういう言葉を耳にしては拳をあげたりもしていました。
それが数年後、源氏の舞台に立って数万人を湧かせている。
当初は小さかったバンドが今、夢のように大きなステージで数万人もの観客を湧かせている。
またまた、ライブハウスでしか出ていなかったもっと小さなバンドが、牛若に出演するだけで感動してしまうという別のドラマもあったりして。
もうね。。これについてはドラマチックでしかないです。
感動が感動を生み、それがまた別の場所でも感動を生む。
音楽って夢があって最高だなと心から思えちゃうんです。
トリの10-FEETが最強
上記のような様々なことを引き起こしている主催の10-FEETのLIVEはもう筆舌に尽くしがたいものがあります。
彼らのライブの中でもひときわ違う色を放つのが、京都大作戦です。
様々なバンドからバトンを引き継いで、祭を締めくくる最高のライブをしなくてはならないという状況で、必ず決めてくれる。
熱い演奏にTAKUMAの熱い言葉。
今までにどれほどの人がそれに勇気をもらってきたのでしょうか。私ももちろんそのクチではあるのですが。
ステージの背に臨む真っ赤な夕焼けが会場を照らし、10-FEETの音楽と2万人の歓声が響き渡る。あの丘の景色だけはぜひ一度見ていただきたいと思います。世界でもっとも美しい風景の一つがそこにはあります。
おわりに
全てのドラマの火付け役である10-FEET。
彼らの音楽とそれにまつわる人々への愛情が、京都大作戦を象っているのです。
これを書いているだけで、早く大作戦に行きたい気分。
今年はコロナの影響で中止になっていますが、来年こそは必ず、、!といった気持ちを胸に一年間、しっかり生きていきましょう!!
それでは、また。
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